デザイン
〝デザイン〟という言葉の定義の確認を求め、先日とある美術館へと駆け参じた。…〝『デザインの国』とよばれる日本〟と掲示され、進行するプロジェクトの展示にへ、である。
日本中に古くからある〝デザインの宝物〟…それは「街並み」であり、「衣装」であり、「職人さんの技術」等々、… 第一線で活躍されるクリエーターの方々が日本各地の現場をリサーチ。その魅力を言葉を含めて展示。今回で20アイテムほどが集積、紹介されておりました。
「工芸」という括りから派生し「デザイン」という言葉が戦後に用いれはじめ、100年近く経とうとしてます。
わたしには、この〝デザイン〟という言葉、概念がいまだに不適切な言葉の解釈から放たれていない実情に苛立ちを感じています。その正しい〝答え〟を求めて、今回もこの2回目(?)となる会場へ足を運んだわけです。
「デザイン」という言葉の解釈は、もちろんヒトそれぞれに異なるわけですが、どうしても〝一つの偏った概念〟が「壁」をつくっていて、スムーズに会話が運ばないでいるのは私だけでしょうか。
〝人はみな、デザイナーである。われわれが日がなしていることはほとんどデザインだ。なぜならデザインはすべての人間の活動の基本だからである。( – ヴィクター・パパネック)〟
… 表現に冷や汗をかくなか、救いのメッセージと受け取れて、ありがたい。
『デザインをデザインし直そう』
どんな問題もデザインの問題だと日常的にいえる日本、とはまだ言えない。その実状の変革はどこからはじめればよいのか。「固定観念」から抜け出し、ひとりひとりが惑わされず〝絶え間ない思考力〟を習慣とせねばならないのだろう。… 情報量があふれ、思考が追いつかない結果なのだろうか。
〝私は、デザインとは、品性と先見性のある問題解決であると考えています。つねに、もっとよい方法があると信じています。デザインは人間の本能だとおもいます。人は本質的に楽観的で、誰もがデザイナーであり、どんな問題もデザインの問題だといえるし、デザインの力によって解決できると思います。( – エミリー・ピロトン)〟
Emily Pilloton, Design Revolution: 100 Products That Empower People(New York: Metropolis Books,2009)
『HELLO WORLD – 「デザイン」が私たちに必要な理由』という本を見つけました。〝デザインというプロセスは、ずっと以前から存在していた。… 先史時代、肉食動物から身を守るために洞窟を掘ったり、槍の先端部分を改良するときも「デザイナー」になった。…デザイナーのおかげで、ほんの数年前までSFだった技術の数々を日常的に利用できている。しかし、その一方で、デザインは矮小化され、誤解され、誤用されてきた。… 先進国のわがままな消費者の快楽やぜいたくのためにあると思われている。〟… やはり、アメリカでも同じような受け止め方がされている一つの安心感。この本では、デザインが今後、私たちの生活に与える影響について考察しています。
しかし、垣根はまだ高いですね。上記の本(460ページ)でもってしても考察で終わっています。やはり、デザインというものの概念を説明するのはむずかしい。
結論!〝どんな問題もデザインの問題だといえるし、デザインの力によって解決できると思います(エミリー・ピロトン)〟
参考URL : コトバンク「デザイン(design)」