3.人生の目標を定める

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迷いは、突然訪れる

歯車が狂いはじめるときは、誰しも訪れる。目標が不明確であったがために幾度も失職…、浮浪者のように転々と仕事を変え、居住地をも変え、よって大切な出会いも失ってしまった。運を使い果たしたともいえるような日々。目標を立てないとえらい目に遭ってしまうのだ。

このライフデザインの目的は、現在の人生を見直しと調整で、理想へと近づけることにある。〝時間〟は無限であっても、ひとの時間は有限なのだ。…

熱中できる道をさがす

「楽しさ」は仕事を見つける大切な指針。人生は有限であるからして、より楽しく夢中になれる仕事の連続であってほしい。〝人生に唯一の目的地はないので、目的地をGPSに入力して、曲がり角に来るたびに指示を受けることなどできない。できるのは、目の前の手がかりに注目し、手元にある道具を使って最善の道を選ぶことだけ。その最初の手がかりが『熱中』『エネルギー』…進むべき道を探しだすひとつの貴重なヒントになる〟と著者は説く。

『熱中』… 本当にやりがいや満足感のある仕事は、多くのフロー状態を含む。(フロー状態=目の前の活動に熱中していて、その活動の難易度とあなたの能力とがちょうど一致している状況のこと。)

『エネルギー』…〝人間は生きて成長していくのにエネルギーが必要だ。エネルギーを酷使する狩猟、採集、子育て、作物の栽培といった肉体労働にほとんどの時間を費やしてきた。脳は一日に消費する約2000キロカロリーのうち、25パーセントを占めるのだから、脳をどう使うかで、エネルギーが満タンだと感じるか、空っぽだと感じるかが決まる。よって、毎週の自分のエネルギーはどこへ流れているのかがわかれば、日々の活動のバイタリティが最大になるようデザインしなおすことができる。〟

自分の情熱に気づく「日誌」をつけよう

日記とは、なかなか男性には遠い存在なのかも知れない。〝仕事のスケジュール〟は当然のこととして予定表につけ、管理はできる。しかし、自身の無我夢中になるときの状況を思い出し、記録することはむずかしい。自身を知る手がかりを記憶、すなわち、日誌をつけていくことで、自分の強みがさらに発揮することができるというなら、つける価値は大きいでしょう。希望がひろがり、仕事に心から熱中できる時間は増えていくことでしょう。まずは、そのエネルギーに満ちているときを見つけ出しましょう。

人は変われる

悩みにどれだけ挑戦できるか、そのことを楽しみにできるような境涯となれる。十九世紀の偉人、三重苦を克服したヘレン・ケラー女史は苦労の末に「驚嘆に満ちた素晴らしい世界が、心の中に開けたのです。」…彼女の友人、マーク・トウェインは「ナポレオンは武力で世界征服を企てて失敗した。だが、ヘレンは、三重の苦悩を背負いながらも、豊かな精神力で栄光を勝ち取ったのだ。」1真剣となれば、〝知恵の眼〟が開かれ、見えないものを〝見抜く力〟すなわち「感性」を磨くこととなり、人は変われるのです。

 どんな歳になろうとも、人間は限りなく変わることができる。まるで粘土のようにいくらでも望みの自分をつくっていくことができる。

 自分自身が望むなら、そうなりたいという意志を持つのならば、自分はいかようにも変貌し、より高みに昇っていくことができるのだ。(ニーチェ『生成の無垢』「ツァラトゥストラによせて」

『超訳 ニーチェの言葉Ⅱ』(フリードリヒ・ニーチェ / 白取春彦 編訳)『生成の無垢』(原佑 / 吉沢伝三郎 訳
  1. 『光の中へ』著者:ヘレン・ケラー / 島田恵 訳 ・高橋和夫 監修 ↩︎
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