『白雪姫』

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『白雪姫』-〝確信ある行動〟が成功に導いた

史上初の200万枚ものセル画、上映時間83分におよぶ長編アニメーション映画の傑作。それは、1934年の冬、ウォルトによる迫真の語り、確信のプレゼンから始まった。…〝その語り口は、まるで実際のスクリーンの上にアニメーションが動いているようだった〟という。そのウォルトの迫真の演技は延々三時間におよび、聴いていたアニメーターの目には涙さえ浮かんでいた。(『創造の狂気 ウォルト・ディズニー』ニール・ゲイブラー著)

常識への反逆:「白雪姫」に賭けた理由

かつてない世界初の長編カラーアニメーションに多くの反対の声が上がった。兄のロイ・ディズニーもかなり懐疑的でした。「誰もこんなに長いアニメーションなど観ない」と。そしてそれがスタジオを破産に追い込むことをロイ、投資家さえも恐れていたからです。そしてロイは頑固になりました。

批判のなかで動じなかったウォルトの確信

ウォルトは信念をもって推し進めた。…〝白雪姫は彼の少年時代の寓話だった。彼は白雪姫であり、親の嫉妬、移り気な圧制におびえ、自分の世界、ファンタジーに逃避し、そこにいたわりと愛と独立と信頼を見いだす。白雪姫はウォルト・ディズニーの成長の物語であり、彼が乗り越え、達成したことの実話〟だったのである。

成功の影にある〝納得できるまでやる〟姿勢

…彼が思い描いていたのは、最高の選び抜かれた映画をも超えるような娯楽作品だった。姫と王子との恋、邪悪な女王の魔の手、コミカルで心優しい小びとたちを配した、この物語。ウォルトは完璧な構成だと確信していた。そして、その物語性と同時に、人の感情とそのリアリズムをアニメーションに導入したのだ。そのためにも白雪姫の声優を決めるオーディションにも気を使った。彼が探しているような、無邪気な声の持ち主は一人として現れず、ある日のこと「この声だ!」とウォルトが叫ぶ日が訪れた。オペラの訓練を受けた18歳の少女であった。
 音楽にもウォルトは気を配った。「僕らは新しいパターンをつくらなくちゃ。物語の中に音楽を織り込むんだよ」とウォルトは主張した。また、ウォルトは物語に人を没入させるためには、写実的な画法が必要と感じていた。その解決策として、必要な人の動きを写真に撮り、人間の造形や動きをアニメーターたちに学ばせたのだ。

「私たちは我れを忘れていた。制作には三年かかったが、行き詰まるたびに、あの夜にウォルトがどのように演じたかを頭に描いた。彼の演技以外に、描きようがなかったのだ」と、あるアニメーターは語っている。

確信のその先にある、ウォルトのビジョン

〝ウォルトは、白雪姫制作という手段を通して、スタジオという組織の中に、アニメと同じような環境をつくっていたのだった。〟…ある記者はこのスタジオを「ウォルトの幸せな大家族」と評し、それが彼の経営の基本だとする者もいた。ウォルトはより高い目的を掲げて、父イライアスが言っていた平等な古きアメリカを、経営の中に実現しようとしていた。

自分のビジョンを持ち続けるための習慣とは

  • プロジェクトを立ち上げる際、「なぜ自分はこれをやるのか?」という〝核〟となる理由を一文で明文化しておく。
  • 反対意見が出た時は、それに対し「根拠ある確信」で再検証できるよう、一次情報やその理論的支えを日頃から収集しておく。

まとめ

信念に裏打ちされた確信は、批判を突破する原動力になる

いま、取り組んでいるなか「周囲に反対されがちなアイデア」について、自分なりの〝確信〟を言語化してみよう(例:「なぜ、今これをする価値があるのか?」)

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