1.現在地を知る

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人は刻々と変わり続ける

 人それぞれに性格というものがある。その性格は、生涯にわたっておおむね変わらないものだと思われている。しかし、たとえばその人間に八万年の寿命があれば、その性格は変わり続けてやまないことだろう。

 人の命がせいぜい数十年と短いから、その短期間のうちに外に表れた性向や言動から、わたしたちはその人の性格というものをあたかも固定しているかのように見ているにすぎないのだ。

(ニーチェ『人間的、あまりに人間的』)

『超訳 ニーチェの言葉Ⅱ』(フリードリヒ・ニーチェ / 白取春彦 編訳)『生成の無垢』(原佑 / 吉沢伝三郎 訳

どう生きるかという〝課題〟を決める前に、自身の現在地を確認する必要がある。

今朝のラジオで、コメンテーターが「政治資金規制法の改正」の課題に対して、〝日本の国家の政治に関わるというのは『自分の未来の一部』、『自分の人生の一部』なのだ〟と述べていた。

この世界に生きるとは、

〝この現実をすべて引き受ける〟ということなのだ。

自分自身のいま受け取る感じ方と考え方が、この世界にリアリティを受け、与えている。

哲学者ニーチェは『力への意志』の中で

こう述べている。

「ちょっとした不正を誰も見ていない場所で行ったとしても、未来をつくるすべての構成に関係することになる。ほんの些細なことに向けられる非難ですら、全体を断罪することになるのだ」と。

政治が腐ってるというのは〝自分の一部が腐っている〟ということにもなるということだ、と今朝のラジオでのコメンテーターは述べていた。

原因と結果という論理も、ある時点の区切りをみての論理であって〝本来あるべき姿などは存在しない〟ということになる。

「生きる」とは、悔やむことでもなく、逃げることでもない。ましてや居留守することでもない。… 強く明るく生きていくことなのだ。

よって、

この世、現実のすべてを受け止め、認めることから始めることなのだ。

さて、では

足元をよくみつめてみよう。

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